発表の心得
前回はPowerPointのスライド作成のポイントを書きました。
今回は発表時の心得を前回同様天野氏の配布資料から抜粋して要約したいと思います。
質疑応答への準備
- 想定質問リストの作成
- 回答案の作成→頭に入れておく
- 手持ちスライド←回答時に利用…関連データのスライド、発表に盛り込めなかったスライド
- (上級者)わざと穴を作り、聴衆に質問させる
最後のはどうなんでしょう…なんというか、すごいですね笑
発表練習
- 最低でも3回
- 発表時間を計測
- 他人にみてもらうこと
- 読み上げは不可(母語でない言語では一応可)
- "あー" "えー" "えっと"といったフィラーを避ける←録音して確認
- 発表練習をしてスライドの修正・追加・削除を行う
発表の仕方
- マイク:口との距離を一定に、ピンマイクは手に
(retarfiによる注;PA的にはピンマイクは息の音が入りやすいのでハンドマイクもしくはヘッドセットマイクのほうが良いと思います)
- 指示棒:回さない、ずらさない
- アイコンタクト:スライドの区切りごとなど 左部・中央・右部を順に
- 敬語:不要。科学者は皆平等
- (上級者)ジョーク:最初に一発
指示棒のところは私はよくやってた気がします。恥ずかしい限り…
ジョークはかなり難しいのではないでしょうか笑
発表時の心得
- 自信と情熱を持って堂々と
・この研究内容を1番知っているのは自分
・その内容を聴衆に伝える
- 十分大きな声で
- 残り時間を確認し臨機応変に対応
・あまりそう→詳細に説明
・足りない→例などのスライドを省略
質疑応答の原則
- 結論を先に述べる
ex. 答えはYes/Noです→なぜならば~だからです。
- 順番はLast in, First out. 最後の質問から遡って答えていく
・最後の質問は記憶が鮮明で答えやすい
・経験則だが、最初ほど難しい質問である可能性大
→他の質問の回答中に対策を考える(時間切れで助かるかも)
- 意味不明の質問には自分の言葉で言い直す
◯「それはxがyではないかという質問ですか?」
×「もう一度お願いします(特に英語の場合)」→同じように言い直されるだけ
- 本質をついた質問(答えがないとき)→「その点については今、研究を進めています」
- 枝葉末節な質問→「その点は今後検討してみたいと思います」
時間切れで助かるというのはいかがなものかと思いますが…それも知恵なのでしょうね。
前日の確認事項(ここまで来るのは学会の発表等でしょうか)
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発表会場の位置
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発表開始時刻
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持ち物(PC、指示棒など)
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スライドの中身
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USB等へのバックアップ
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服装・身だしなみ
バックアップは大切ですね。私は授業内の簡単な発表ではPC本体とオンラインストレージに保存してます。
当日の確認事項
- 発表時間と質疑応答時間
- 機器の動作(PC、プロジェクタ、マイク、指示棒、アンプ、スピーカ等)
- 照明(スクリーン、手元)
- 立ち位置・段差・障害物
なかなか全てを一度にマスターするのは難しいでしょうが、若いうちから少しずつ取り組んでよりよい発表を目指したいものです。
天野氏の発表の参考文献
- 心理学研究法:心を見つめる科学のまなざし, 高野・岡,有斐閣, 2004.
- 心理学論文の書き方: おいしい論文のレシピ, 都築,有斐閣,2006.
- 改訂新版 心理学論文の書き方: 卒業論文や修士論文を書くために, 松井, 河出書房新社, 2010.
- 「分かりやすい文章」の技術, 藤沢晃治 講談社, ブルーバックス, 2004.
- 「分かりやすい表現」の技術, 藤沢晃治 講談社, ブルーバックス, 1999.
- 「分かりやすい説明」の技術, 藤沢晃治 講談社, ブルーバックス, 2002.
- 「分かりやすい話し方」の技術, 吉田たかよし 講談社, ブルーバックス, 2005.
- 理系のための口頭発表術, アンホルト(著), 鈴木・リー(訳), 講談社, ブルーバックス, 2008